買取実績
2021.04.13
  • 古写真・戦前絵はがき
  • 大田区

戦前絵葉書の買取/大田区/古写真

買取品目
古写真・戦前絵はがき
住 所
大田区
買取方法
出張買取
店主からのコメント

店主からのコメント

平素よりお世話になっております。創業40年、銀座すみのあとです。

東京都大田区より戦前絵葉書(古写真)の買取のご案内です。

画像の戦前絵葉書は軍隊関係(毒ガス)になります。

戦前に作成・流通した絵葉書は、当時の社会情勢、文化、軍事、技術の断面を映し出す貴重な視覚資料であり、近年ではコレクターや研究者の間で再評価が進んでおります。中でも「毒ガス」を題材とした絵葉書は、非常に特異なジャンルでありながら、戦争の現実を伝える希少な記録媒体として、独自の魅力を放っております。本稿では、このような毒ガス絵葉書の魅力を多角的に掘り下げ、歴史的背景、芸術性、資料的価値、コレクションとしての価値について詳述いたします。


一、毒ガス兵器と戦前日本の軍事体制

毒ガス兵器は、第一次世界大戦を契機として本格的に開発・実戦投入されるようになった化学兵器でございます。ドイツ軍が1915年に初めて塩素ガスを使用したことを皮切りに、イギリスやフランス、日本など各国も研究を進め、1930年代には日本陸軍でも毒ガスの製造および運用体制が確立されておりました。

日本では、陸軍科学研究所(後の第九陸軍技術研究所)を中心に、マスタードガス(イペリット)やホスゲンガスといった各種毒ガスが研究開発されました。特に満州事変以降、中国戦線での使用が報告されており、これらは後に国際的な批判の対象ともなります。


二、毒ガス絵葉書の誕生とその背景

毒ガス兵器が実戦で使用されるようになると、軍事的機密性が高い一方で、国民の間ではその存在が次第に知られるようになり、絵葉書としても取り上げられるようになります。これらの絵葉書は以下のような文脈で製作されました。

  • 軍事技術の誇示:毒ガス部隊の演習や装備を描いた絵葉書は、近代的で先進的な兵器の存在を示すことで、軍の威信を国民に伝える目的がありました。

  • 国威発揚の道具:国内の軍事博覧会や防空演習に合わせて配布・販売されたものには、国家の力を視覚的に訴える役割がございました。

  • 訓練や防護教育の一環:市民向けに毒ガス防護訓練が実施される際に配布されるなど、教育的意図を伴う場合もありました。


三、毒ガス絵葉書の主なモチーフと表現

毒ガスを題材とした戦前絵葉書には、以下のような表現や構図が多く見受けられます。

1. 防毒マスクを装着した兵士

毒ガス訓練中の歩兵や工兵の姿を描いた絵葉書では、防毒マスクを装着した兵士たちが整然と行進する姿、あるいはガス散布地域での探索作業などが描かれています。これらは軍の規律や近代的装備を誇示する意図が強く反映されております。往時の面影を残す戦前絵葉書(古写真)は買取対象となります。

2. ガス散布装置や演習風景

ガス噴霧機(ガス放射器)を使用した演習風景が描かれたものでは、兵士の動きと共に立ち上るガスの煙が視覚的に強調されており、画面全体に緊迫感と技術的迫力を持たせています。往時の迫力が伝わる戦前絵葉書(古写真)は買い取り対象となります。

3. 化学兵器を扱う特別部隊

化学兵器の専門部隊である「毒ガス部隊」や「防毒部隊」に属する兵士たちを紹介したものもございます。こうした絵葉書は一般の歩兵とは異なる特殊任務の存在を一般人に知らせる意図も含まれております。

4. 市民向け防毒訓練

昭和10年代以降は、空襲への備えとして毒ガス攻撃を想定した防空訓練が各地で行われ、市民が防毒マスクを着用した写真絵葉書も制作されました。市民参加型の視点が強調された資料です。こういった資料的価値のある戦前絵葉書(古写真)は買取対象となります。


四、美術的・視覚的魅力

毒ガスを題材とした絵葉書は、芸術的にも特異な魅力を有しております。

1. モダンデザインとの融合

近代的な装備(防毒マスク、ガス投射機)と、自然風景や都市景観との対比が強い印象を与えます。絵葉書の多くはリアルな写真が使われておりますが、一部には手彩色によって独特の色調が加えられたものもあり、視覚的な訴求力が強まっております。

2. 形式美と構図の巧妙さ

兵士たちの整列や動作の一体感、防毒装備の統一性などは、視覚的に美しい秩序感を生んでおり、当時の軍隊美学の象徴ともいえるでしょう。また、ガスの煙が画面に広がる様子は、画面構成上のアクセントとして強い存在感を放っています。


五、資料価値と歴史的意義

毒ガス絵葉書は、美術的側面だけでなく、資料的価値も非常に高いといえます。

1. 軍事史の補助資料

当時の毒ガス装備、訓練体制、部隊編成の様子などを視覚的に捉えられるため、軍事史研究においては一次資料としても活用されております。特に写真葉書は、記録映像が乏しい時代において貴重な視覚証言とされます。そういった資料としての戦前絵葉書(古写真)は買取対象となります。

2. 戦時下の社会動向を知る手がかり

市民防衛意識の高まり、軍需産業の広報戦略などを読み解くための鍵ともなり、社会史・メディア史研究の面でも重要な役割を果たします。

3. 国際関係や戦争倫理の研究資料

毒ガス兵器の使用は、ジュネーヴ議定書により国際的には禁止されておりましたが、日本は署名のみで批准しておらず、戦時中の行動は国際的批判を招く要因ともなりました。これに関連して、毒ガス絵葉書は国際法や戦争倫理の研究にも重要な示唆を与えております。


六、収集市場での位置づけと価値

毒ガス絵葉書は、戦前絵葉書コレクションの中でも以下の理由から希少価値が高いとされております。

  • 発行部数の少なさ:一般向けに広く販売されたものではなく、軍内部や関係者向けに流通したものが多いため、現存数が少ないです。

  • 戦後の廃棄や規制:戦後の占領政策により、毒ガス関連の資料は多くが没収・焼却されたため、現存するものは特に貴重です。

  • テーマの特殊性:戦争という暗い歴史の中でも、特に忌避されがちな「化学兵器」というテーマを扱っている点でコレクションの中核になりうる存在です。

近年では軍事郵便や戦前プロパガンダ資料の専門オークションなどでも高値で取引されており、状態や構図、発行元の違いによっては1枚あたり1万円〜数万円で取引される例も見られます。


七、おわりに

毒ガスを扱った戦前絵葉書は、その特異性ゆえに一般的な知名度は高くないものの、軍事技術・社会意識・戦争の倫理という複数の層に関わる非常に深いテーマを内包しております。絵葉書という小さな紙片に込められた視覚情報は、当時の空気感や国民感情、国家の思惑を読み解く貴重な鍵となり得るのです。

このような絵葉書を丁寧に読み解いていくことは、単なる収集趣味を超えた歴史探求の行為でもあります。そして、それが戦争の記憶を風化させず、後世に伝える文化的責務の一端を担っているのではないでしょうか。

この度は貴重な戦前絵葉書(古写真)を買取させていただき有難うございました。

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もちろん、ご納得頂けない場合は、売らなくても大丈夫です。

品物の点数が多い場合や、ご自身では整理できない状態にある場合は、現地に訪問させていただくことも可能です。

今回は東京都中央区での買取となりましたが、全国どこでも無料で出張買取をおこなっていますので、まずはお問い合わせください。

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