栃木県宇都宮市へ、高麗時代の水滴の買取に伺いました。

 

宇都宮市は、栃木県の中心部に位置する県庁所在地です。人口は50万人を超えており、首都圏の都市としても10位の人口を擁する大きな都市です。

 

宇都宮市の歴史は古く、縄文時代の大集落跡である根古谷台遺跡が見つかっているなど、紀元前より人の生活の場であったことが知られています。

鎌倉時代から戦国時代にかけては、宇都宮氏がこの地を治めていました。

宇都宮氏は、宇都宮明神（二荒山神社）の社務職を兼ねながら宇都宮の地を治めた武将です。文武に秀でた伝統ある一族でしたが、22代国綱の代に豊臣秀吉により改易されてしまいました。しかし、宇都宮氏の旧臣たちが土着し、その後の地域の発展を支えたと言われています。

 

宇都宮市の隣には日光市があり、日本を代表する世界遺産であり、かの徳川家康公がまつられていることで有名な日光東照宮があります。

江戸時代には、二荒山神社の門前町・宇都宮城の城下町として栄え、参勤交代や日光東照宮の造営などにより人の往来も多く、文化・経済の交流地域として「小江戸」と呼ばれるほど繁栄しました。

 

そんな歴史の深い都市である栃木県宇都宮市で、今回買取させていただいたのは、高麗青磁の水滴です。

 

水滴とは、書道具のひとつです。硯（すずり）に入れるための水を入れておく容器で、小さな穴と注ぎ口があるのが特徴です。

現在は、そのまま使える墨汁がすぐに手に入りますが、昔は（現在でも本格的な書道では）硯に水を入れ、墨を磨って墨汁を作っていました。

 

水滴の材質は、陶磁器が最も多く、金属製や石玉製の水滴もあります。また、様々な形があり、趣向を凝らしたものがたくさん作られています。

コンパクトでかわいらしい外観から、骨董としても大変人気があり、コレクターも数多くいます。特に、人物や動物をモチーフにしたものが人気で、状態の良いものは、高価買取の可能性があります。

しかし、贋物の多いジャンルでもあるため、見極めの難しい美術品でもあるため注意が必要です。

 

水滴は形状や大きさなどによって呼び方が異なります。

 

・水滴（すいてき）

硯滴・水入とも呼ばれています。

前述した通り、硯に水を注ぐために使われる容器です。小さな穴を指で塞いだり開いたりすることで、注ぎ口からぽたりぽたりと量を調整しながら水を垂らすことができます。

 

・水盂(すいう)

胴がふくらんだ水器を指します。口が広く、サジで水を汲み取るほか、筆洗として使われることもあります。

 

・水丞(すいじょう)

口が大きくサジで水をすくって使います。水量を多く入れられるのが特徴です。

なかでも、取っ手のあるものは水注と呼ばれます。

 

・蟾蜍（せんじょ）

「せんじょ」とはヒキガエルのことをさす言葉で、水滴のなかでも、形状がカエルのものを呼びます。

モチーフになっているのは、中国の古代神話にでてくる月に住む三本足のヒキガエル。

龍、獅子などと並び、中国では縁起の良い象形として好んで用いられます。

 

今回、査定させていただいたのは水滴で、高麗の青磁のお品です。

朝鮮青磁は日本人とって非常に人気があるだけではなく、海外にもコレクターの多いジャンルです。ものによっては世界中で知られているオークションハウス「クリスティーズ」で高値で落札される青磁もあるほどです。

 

今回、買取させていただきました朝鮮青磁は素朴で装飾もあり手頃な大きさで、使用しやすいお品でした。

コレクターのみならず、良いお品を使いたい書道家からの需要も見込めるお品と言えます。

丁寧に査定させていただき、価格にご納得いただいたうえで、買取させていただきました。

 

銀座古美術すみのあとでは、今回の水滴のような書道具をはじめとして、中国書画・中国美術など、幅広いジャンルの買取をさせていただいております。

お売り頂く作品の背景や、現在の価値なども含めて、丁寧にご説明し、ご納得いただけるような買取金額を提示させていただいており、「すみのあとに相談して良かった！」と言っていただけるようなお取引を心がけています。

 

特に、今回の水滴のような品は、人気の高さから、贋物が多く出回っています。

見極めがむずかしく、中国美術に詳しくない者では本当の価値がわからないということも起こり得ます。

古美術すみのあとは、業界実績40年の確かな目利きで、水滴のような難しいお品でも、適正な価格を提示させていただきますので、ご安心ください。

 

無料査定は1点から受け付けております。

品物の点数が多い場合や、ご自身では整理できない状態にある場合は、現地に訪問させていただくことも可能です。

今回は栃木県宇都宮市まで伺いましたが、関東に限らず、無料で全国どこへでも出張買取に伺いますので、まずは一度ご相談ください。

 

譲り受けたお品や遺品整理などで水滴がご自宅にあるという方、どのように取り扱えば良いのか困っているという方はいらっしゃいませんか。

せっかくご縁があってお手元にあるお品ですから、正確な価値を知っていただきたいと思います。

ぜひお気軽に、古美術すみのあとまでお問い合わせください。