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  • 錦絵の買取/埼玉県さいたま市/版画/浮世絵/月岡芳年
2020.04.17
  • 浮世絵・錦絵
  • 埼玉県さいたま市

錦絵の買取/埼玉県さいたま市/版画/浮世絵/月岡芳年

買取金額

45,000円(税込)

買取品目
浮世絵・錦絵
住 所
埼玉県さいたま市
買取方法
出張買取
店主からのコメント

店主からのコメント

平素よりお世話になっております。創業40年、銀座すみのあとです。

埼玉県さいたま市より錦絵(版画)の買取のご案内です。

画像の錦絵は月岡芳年による「信仰の三日月」の図です。

 

幕末から明治初期にかけて活躍した浮世絵師・月岡芳年(つきおか よしとし)は、時代の転換期を背景に、武者絵、美人画、怪奇画、歴史絵など多様なジャンルで独自の世界観を築いた名匠でございます。その作品群の中には、歴史や伝説に取材した幻想的かつ精神性の高い作品が数多く存在し、鑑賞者に深い感銘を与えております。

今回取り上げる《信仰の三日月(しんこうのみかづき)》は、そうした芳年の精神性や時代感覚が色濃く反映された作品の一つであり、特に「信仰」や「武士道」といった価値観を象徴的に描いた浮世絵として評価されております。

《信仰の三日月》は、明治時代に刊行された月岡芳年の代表的なシリーズ《月百姿(つきのひゃくし)》の一作でございます。《月百姿》は、全100点から成る連作木版画で、1885年(明治18年)から1892年(明治25年)にかけて刊行されました。このシリーズは、古今の和漢の物語、歴史、伝説、演劇などから取材した月にまつわる情景を、芳年独特の様式と筆致で描いた名作群でございます。

その中で《信仰の三日月》は、「日本武士の精神」と「宗教的信仰心」とを重ねて表現した作品とされており、非常に象徴的な意味合いを持っております。象徴的なモチーフの版画、錦絵は買い取り対象となります。

《信仰の三日月》に描かれているのは、甲冑を身につけた一人の武士でございます。彼は夜の山中、あるいは神域のような場所にて、ひざまずき頭を垂れて合掌しており、その視線の先には夜空に浮かぶ三日月が描かれております。

武士の姿勢は非常に厳粛で、祈りの対象としての「月」に対して、信仰の念を込めている様子が伺えます。甲冑をまとったまま祈るその姿からは、戦いの中においても内面的な精神の拠り所を求める心、つまり「信仰」がどれほど重要な意味を持っていたかが読み取れます。

三日月は、満ち欠けによって変化する月の姿の中でも「始まり」や「希望」を象徴する形とされております。また、三日月は日本では古くから神秘的な意味合いを持ち、神道や仏教においても清浄や加護の象徴として尊ばれてきました。芳年は、その月を祈りの対象とし、信仰の対象として扱うことで、武士の「外なる戦」と「内なる修行」の両面を象徴的に提示しておりそういった錦絵(版画、浮世絵)は買い取り対象となります。

この作品の核心にあるのは、「信仰」という行為が、単なる宗教的儀礼ではなく、武士の生き方そのものと直結していたという思想でございます。

日本の中世から近世にかけては、神道と仏教が融合した「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」の思想が主流であり、武士たちはその信仰の中に自己の道徳観や行動規範を見出しておりました。武士にとって、戦場での死と向き合うには、精神的な拠り所が不可欠であり、その役割を果たしていたのが「信仰」だったのです。

芳年が描いた武士は、単なる戦闘員としてではなく、深い信仰心を持つ精神的存在として表現されております。武士をモチーフとした錦絵(版画)は買い取り対象となります。

月は古来より日本人の美意識において重要な象徴であり、とりわけ武士道精神においては「潔さ」「儚さ」「無常観」などと結びついて語られる存在でした。月が「満ちれば欠ける」存在であることから、「栄華の儚さ」や「武士の潔い死」を象徴するものとされていたのです。

芳年が三日月を選んだことは、満月ではなく「これから満ちていく」段階にあることから、「信仰により成長し、精神を整えていく」過程を暗示しているとも解釈できます。

本作は《月百姿》というシリーズの一作として制作されておりますが、その全体的なテーマと比しても《信仰の三日月》は極めて静謐かつ内省的な雰囲気を持っております。

《月百姿》の多くの作品では、歴史的な事件、英雄譚、妖怪譚などが描かれ、動的な表現が多い中で、本作は対照的に静かな空間と沈思黙考の構図が際立っております。芳年の中でもとくに「静の美」を追求した作例と言え、そういった版画(錦絵)は買い取り対象となります。

月岡芳年はその晩年、精神を病むこともありながら、自身の内面と深く向き合いながら制作を続けた人物でございます。彼の作品には、しばしば「死」「狂気」「信仰」「救済」といったテーマが見え隠れしており、単なる娯楽的な浮世絵からは一線を画す精神性を帯びております。

《信仰の三日月》もまた、芳年自身の「生」と「死」、「信仰」と「芸術」の葛藤が投影された作品であると考えられます。

鑑賞のポイントは以下の点に着目すると、より深い理解が得られます。三日月の位置と光の演出で闇夜の中に浮かぶ三日月が、人物の祈りの対象として明確に配置されており、構図的にも精神性を強調しております。また武士の表情と姿勢も良く、 顔の描写は控えめですが、合掌の手元や体の角度に緊張感が宿っており、内面の強さと信仰の深さが表現されています。さらに色使いと空間処理があり、暗い背景と静かな色調の中に浮かび上がる月の白さが象徴的で、静寂の中にある清浄な精神世界を感じさせます。

《信仰の三日月》は、月岡芳年の代表作群の中でも特に内面的な世界観を描いた作品として、美術史家やコレクターから高い評価を受けております。宗教画とも言える精神性を帯びながら、同時に武士道という日本的な価値観を視覚化した点で、極めてユニークな浮世絵といえるでしょう。

明治という近代化の時代において、日本的精神の核となる「信仰」と「武士道」を改めて見つめ直す意味で、非常に意義深い作品であると考えられます。

月岡芳年の《信仰の三日月》は、その美術的価値だけでなく、日本人の精神文化、宗教観、武士道精神を視覚的に凝縮した作品でございます。三日月を見上げる武士の姿には、静かながらも強い意志と敬虔な思いが感じられ、鑑賞する者の心に深い印象を残します。

芳年がこのような作品を通して提示したものは、変わりゆく時代の中で「変わらぬもの」を探し求める行為そのものであったのかもしれません。信仰とは、まさにそうした「拠り所」であり、月の光のように、暗闇の中で人の心を照らす存在であることを、本作は雄弁に語っているのでございます。

この度は貴重な錦絵を買取させていただき有難うございました。

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