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店主からのコメント
江戸時代の華鬘(けまん)のご紹介です。
今回、買取に伺ったのは奈良県奈良市。
奈良時代(710年‐794年)に平城京が置かれた古都であり、唐および西域地方の影響を強く受けてた天平文化が花開いた地として知られています。
奈良時代はたった74年と短い期間ではありましたが、鎮護国家思想に基づく仏教興隆政策のもと、仏教美術の黄金時代が作り上げられました。
そのため、寺社仏閣が多数存在し、特に、東大寺、春日大社、春日山原始林、興福寺、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡の8資産は、「古都奈良の文化財」と呼ばれ、1998年には世界遺産として認定されました。
奈良公園や、若草山周辺では、いたるところで鹿を見かけます。都内に住んでいる身としては、不思議な光景です。
意外に思われるかもしれませんが、これらの鹿はすべて野生の鹿です。国の天然記念物に指定されているため、保護されてはいるのですが、飼育をされているわけではありません。
古来より、鹿は神の使いとして手厚く保護されているのです。
そんな歴史深い奈良県奈良市で、今回買取をさせていただいたのは、華鬘(けまん)という仏教美術のお品です。
華鬘(けまん)とは、仏殿内陣の長押(なげし)などに懸けられた荘厳具(しょうごんぐ)です。花鬘、花縵とも書きます。
起源は古代インドにおいて貴人に捧げられた生花でできたレイのような花輪であり、装身具でだったものが、僧などに対して布施されたものだと言われています。
本来、出家した僧は身を飾ることができません。そこで、布施された花環が、仏を祀る仏堂を飾るものへと変化していったのではないかと考えられています。
華鬘の形は、円または楕円の団扇のような形をしており、紐で吊るすための環がついています。
材質は金属で造られていることが多いですが、木や革などで出来ているお品もあります。
また、華鬘にはさまざまなデザインが存在します。
代表的なデザインは下記のとおりです。
・宝相華(ほうそうげ)
宝相華が描かれた華鬘は、一見、唐草模様に似たデザインになっています。
宝相華とは、牡丹、シャクナゲ、芙蓉などの5つの植物を組み合わせた空想上の花です。中国では唐の時代、日本では奈良時代から平安時代によく仏教の装飾文様として用いられました。
・迦陵頻伽(かりょうびんが)
迦陵頻伽(かりょうびんが)とは仏教に登場する空想上の生き物のことです。上半身が人で下半身が鳥になっていて、とても美しい声で歌うとされています。美しい声のたとえとしてもよく使われます。
華鬘には迦陵頻伽が二対で描かれていているものも多く、デザイン性の高さから大変人気があります。
・蓮(はす)の花
最も多く見られる華鬘のデザインは、蓮(はす)の花のものです。
蓮の花は仏教では尊い花とされ、如来像の台座も蓮の花のデザインになっています。
また一蓮托生という言葉は仏教徒が往生した後に、同じ蓮の花の上で生まれ変わるという意味で、仏教において、蓮の花はとても重要な存在と言えます。
華鬘の飾り方についてもご紹介いたします。
華鬘は、仏像の顔の正面に吊り下げます。仏像の顔が見えなくなってしまいますが、これには理由があります。
仏像を拝む際、真正面に座ると、華鬘が邪魔をして目を合わせることができないため、自然と体を低くし、仏を仰ぎ見る姿勢にならざるを得ません。
仏像は伏し目がちなので、華鬘の隙間から見上げると丁度向き合い、目を合わせることができます。
華鬘をあえて仏像の顔の前に吊るすのは、仏を敬う気持ちからなのです。
平安時代の代表作として、京都・東寺の「迦陵頻伽文牛皮華鬘」(奈良国立博物館蔵)、岩手県中尊寺金色堂の「金銅宝相華文透彫華鬘」などがあり、どちらも国宝に指定されています。
華鬘は、造られた時代や材質や装飾によっては、かなりの高値で取引されてるものも多くあります。
状態が良いお品ほど高価な値が付きやすいので、大切に保管してください。
華鬘の多くは金属で出来ていますが、今回買取させていただいた華鬘は、木で造られた品でした。大変珍しく、希少価値の高いお品です。
丁寧に鑑定させて頂き、買取金額にもご満足いただけたようです。
銀座古美術すみのあとでは、日本の伝統工芸品のほか、中国書画・中国美術など、幅広いジャンルの買取をさせていただいております。
お客様の大切なお品物を業界実績40年の確かな鑑定眼で査定させていただきます。
作品の背景や、現在の価値なども含めて、丁寧にご説明し、ご納得いただけるような買取金額を提示させていただいております。
品物の点数が多い場合や、ご自身では整理できない状態にある場合は、現地に訪問させていただくことも可能です。
今回、奈良県までお伺いいたしましたように、無料で全国どこへでも出張買取に伺いますので、ご相談ください。
華鬘をはじめとした仏像・仏教美術の買取も強化しております。
自宅に仏像・仏教美術が眠っているという方は、古美術すみのあとまで、まずはお気軽にお問い合わせください。