「ご自宅に眠っている錦絵、浮世絵を高く売りたいけど、価値がわからない」「どうやって売ったらいいかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。錦絵、浮世絵は、作者、歴史や芸術性などから、現代においても高い価値を持つことがあります。
しかし、その価値を見極め、適切な価格で買い取ってもらうためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事では、錦絵、浮世絵の価値を見極め、高額買取を実現するための方法を解説していきます。
錦絵、浮世絵の価値を決める要因や、高額で買い取ってもらうための具体的な方法について詳しく解説することで、皆様に錦絵、浮世絵を高価売却できるようサポート致したく思います。

1:錦絵とは
錦絵(にしきえ)とは、江戸時代中期に誕生した多色刷りの木版画のことを指します。主に浮世絵の技法として発展し、鮮やかな色彩と華やかなデザインが特徴です。特徴としては多色刷りがあります、それ以前の浮世絵は墨一色の「墨摺絵(すみずりえ)」や、部分的に手彩色を施した「紅摺絵(べにずりえ)」が主流だったが、錦絵は複数の版木を使用して色を重ねる技法が用いられたことにより、より精緻でカラフルな作品が生まれました。錦絵は江戸中期に誕生し1765年頃、鈴木春信(すずき はるのぶ)によって本格的な錦絵が確立されました。「錦(にしき)」は、豪華な織物を指す言葉であり、多色刷りの美しさから「錦のような絵」という意味で「錦絵」と呼ばれるようになりました。其の後浮世絵として発展錦絵は、歌舞伎役者絵、美人画、風景画、歴史画、武者絵など、様々なジャンルの浮世絵として人気を博し、江戸時代後期には、日本国内だけでなく、ヨーロッパにも輸出され、「ジャポニスム(日本趣味)」の流行を生みました。
錦絵の歴史
錦絵(にしきえ)とは、多色摺りの浮世絵版画のことを指し、江戸時代中期に誕生した技法です。それ以前の浮世絵は墨一色の「墨摺絵(すみずりえ)」や、部分的に手彩色を施した「紅摺絵(べにずりえ)」が主流でしたが、錦絵の登場によって、より華やかで精密な作品が生み出されるようになりました。本稿では、錦絵の誕生から発展、そしてその後の衰退までの歴史を詳しく見ていきます。
1-1. 錦絵の誕生(18世紀中期)
錦絵の技法が確立したのは、江戸時代中期の1765年頃とされています。この時期、江戸では版画の需要が高まり、特に歌舞伎役者や美人画の浮世絵が人気を集めていました。しかし、当時の浮世絵は単色または2〜3色程度の摺りしかなく、色彩表現が限られていました。
錦絵の技法を開発したとされるのは鈴木春信(すずき はるのぶ)で、彼の作品により本格的な多色摺りが普及しました。春信は、淡い色彩と繊細な筆致で知られ、「柱絵」や「美人画」を多く手がけました。また、当時の版元(出版社)である西村屋与八(にしむらや よはち)が積極的に錦絵を販売し、この新技術を広めたことも普及の大きな要因となりました。
当初は「紅摺絵(べにずりえ)」の発展形として生まれた錦絵でしたが、その華やかさから「錦のように美しい絵」として「錦絵」と呼ばれるようになりました。
1-2. 錦絵の発展と黄金期(18世紀後半〜19世紀前半)
(1)美人画の隆盛
錦絵の初期には、喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)が登場し、錦絵の発展に大きく貢献しました。歌麿は「大首絵(おおくびえ)」と呼ばれる胸から上を描いた肖像画を確立し、女性の表情や仕草を生き生きと表現しました。代表作には『寛政三美人』や『ポッピンを吹く娘』などがあります。
(2)役者絵の発展
一方、役者絵では東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)が独特なデフォルメを施した歌舞伎役者の肖像画を描きました。写楽の作品は、短期間(約10ヶ月間)の活動にとどまりましたが、彼の役者絵は後世に強い影響を与えました。代表作には『市川蝦蔵の竹村定之進』などがあります。
(3)風景画の確立
19世紀に入ると、錦絵は風景画の分野でも発展しました。特に葛飾北斎(かつしか ほくさい)と歌川広重(うたがわ ひろしげ)の登場によって、風景画が錦絵の主要なジャンルとして確立されました。
北斎の代表作『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」などは、ダイナミックな構図と緻密な描写で、日本国内だけでなく海外の印象派画家(モネやゴッホなど)にも影響を与えました。
広重の代表作『東海道五十三次』では、江戸から京都までの宿場町を情緒豊かに描き、日本の風景美を再評価させました。
1-3. 錦絵の衰退(19世紀後半〜20世紀初頭)
19世紀後半になると、日本は開国し、西洋文化が流入するようになりました。この影響で、錦絵の人気は徐々に衰退していきます。その要因は以下の通りです。
(1)写真技術の発展
幕末から明治にかけて、日本にも写真技術が伝わりました。これにより、肖像画や風景画の需要が減少し、錦絵の役割が次第に縮小しました。
(2)石版画(リトグラフ)の普及
明治時代に入ると、西洋の石版画(リトグラフ)が日本にも普及し、安価で大量に印刷できるため、錦絵に代わって新聞や広告のメディアとして広まりました。
(3)日本画の台頭
明治政府は、伝統的な日本画(狩野派、円山四条派など)を奨励し、浮世絵や錦絵よりも格調高い芸術を重視する風潮が生まれました。
(4)文明開化による文化の変化
西洋文化の流入により、日本人の美意識や趣味嗜好が変わり、錦絵のような江戸文化が徐々に衰退しました。
1-4. 錦絵の再評価と現代
20世紀に入ると、錦絵は一度は衰退したものの、海外では「ジャポニスム」として再評価されるようになりました。特にヨーロッパの美術界では、浮世絵が印象派やアール・ヌーヴォーに影響を与えたことから、研究が進みました。
また、日本国内でも昭和以降、浮世絵や錦絵の価値が再評価され、美術館や研究機関による保存・展示が行われるようになりました。近年では、オークション市場でも高値で取引されることが増え、特に初版の錦絵はコレクターからの人気が高いです。
1-5. まとめ
錦絵は、江戸時代中期に誕生し、美人画、役者絵、風景画などのジャンルを通じて発展しました。しかし、明治時代の近代化に伴い衰退し、一度は歴史の表舞台から姿を消しました。しかし、20世紀以降は世界的に再評価され、日本美術の重要な遺産としてその価値が認識されておりそういった錦絵は高価買取が臨めます。
現在、錦絵は美術品としての価値だけでなく、デザインや広告、グッズなどにも応用され、現代の文化の中でも新たな形で息づいています。

2:錦絵の種類
錦絵にはさまざまなテーマやジャンルがあり、それぞれの分野で優れた絵師たちが活躍しました。錦絵の代表的な種類と、それを手がけた名作家について詳しく解説します。
2-1. 錦絵の種類
錦絵は大きく以下のジャンルに分類されます。
(1)美人画(びじんが)
美人画は、女性の優美な姿や日常生活を描いた作品で、江戸時代の流行や風俗を反映する重要なジャンルでした。女性の装いや表情、仕草などを繊細に描写し、江戸の粋な文化を伝えています。
代表作家と作品
- 鈴木春信(すずき はるのぶ):「見立て遊び」
- 錦絵の創始者ともされ、淡い色調で優美な美人を描いた。
- 喜多川歌麿(きたがわ うたまろ):「寛政三美人」「ポッピンを吹く娘」
- 渓斎英泉(けいさい えいせん):「美人六花撰」
- 妖艶な女性表現を得意とし、後の春画にも影響を与えた。
(2)役者絵(やくしゃえ)
歌舞伎役者を描いた作品で、劇中の名場面や役者の個性を誇張して表現するのが特徴です。ファンにとっては現在のブロマイドのようなもので、人気役者の姿を手軽に楽しむ手段でした。
代表作家と作品
- 東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく):「市川蝦蔵の竹村定之進」「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」
- 歌川豊国(うたがわ とよくに):「役者舞台の図」
- 歌川国貞(うたがわ くにさだ):「二代目中村仲蔵の絵」
(3)風景画(ふうけいが)
江戸や日本各地の名所、風景を描いた作品で、旅の情景や季節の移ろいを楽しめるジャンルです。江戸時代後期には、浮世絵の中心的なジャンルの一つとなりました。
代表作家と作品
- 葛飾北斎(かつしか ほくさい):「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」
- ダイナミックな構図と斬新な視点で日本の風景を描いた。
- 歌川広重(うたがわ ひろしげ):「東海道五十三次」「名所江戸百景」
- 渓斎英泉(けいさい えいせん):「木曽街道六十九次」
(4) 武者絵(むしゃえ)
戦国武将や歴史上の英雄を題材とした作品で、勇壮な構図と躍動感のある表現が特徴です。
代表作家と作品
- 葛飾北斎(かつしか ほくさい):「武者絵シリーズ」
- 歌川国芳(うたがわ くによし):「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」「相馬の古内裏」
- 歌川芳年(うたがわ よしとし):「大日本名将鑑」
(5) 春画(しゅんが)
春画は、男女の性愛を描いた錦絵で、江戸時代には庶民の間で広く流通しました。現代では美術的価値も高く評価されています。
代表作家と作品
- 鳥居清長(とりい きよなが):「袖の巻」
- 葛飾北斎(かつしか ほくさい):「蛸と海女」
- 歌川国芳(うたがわ くによし):「艶本集」
(6) 幽霊・妖怪画(ようかいが)
錦絵には、怪談や妖怪を題材にした作品も多く、江戸時代の庶民の娯楽として人気がありました。
代表作家と作品
- 葛飾北斎(かつしか ほくさい):「百物語」
- 歌川国芳(うたがわ くによし):「相馬の古内裏」
- 月岡芳年(つきおか よしとし):「新形三十六怪撰」
錦絵は、単なる美術作品ではなく、江戸時代の文化や庶民の生活を反映した重要な歴史資料でもあります。美人画、役者絵、風景画、武者絵、春画、幽霊・妖怪画など多様なジャンルがあり、それぞれの分野で優れた作家が活躍しました。葛飾北斎、歌川広重、喜多川歌麿、歌川国芳、東洲斎写楽などの絵師たちは、現代でも世界的に評価されており、彼らの作品はオークション市場でも高値で取引されています。
現代においても、錦絵は日本美術の象徴として、国内外の美術館や研究機関で保存・展示されており、今後もその魅力は語り継がれていくでしょう。

3:錦絵の買取相場
錦絵は江戸時代中期から明治時代にかけて発展した多色摺りの浮世絵版画であり、美術市場においても重要なコレクションアイテムとされています。近年、国内外のオークションやアンティーク市場において錦絵の需要が高まり、高額で取引されることもあります。本稿では、錦絵の買取相場、評価基準、影響要因、市場の動向、買取方法について詳しく解説します。
3-1錦絵の買取相場の概要
錦絵の買取価格は、以下の要因によって大きく異なります。
- 絵師の知名度
- 作品の状態
- 初版か再版か
- 希少性
- 題材の人気
- 市場の需要
おおよその価格帯は以下の通りです。
種類 |
価格帯(円) |
一般的な錦絵(状態が良くない) |
5,000〜30,000円 |
葛飾北斎、歌川広重の代表作(保存状態普通) |
50,000〜300,000円 |
初版の貴重な作品(保存状態良好) |
500,000円以上 |
役者絵、武者絵の人気作品 |
100,000〜500,000円 |
美人画(歌麿、渓斎英泉など) |
100,000〜800,000円 |
幽霊画・妖怪画(希少作品) |
300,000円以上 |
完璧な保存状態の作品 |
1,000,000円以上 |
3-2. 錦絵の評価基準
(1)絵師の知名度
錦絵の買取価格に最も影響を与えるのは、絵師の知名度です。以下のような著名な絵師の作品は、コレクターの間で特に人気があります。
絵師 |
代表作 |
相場(円) |
葛飾北斎 |
富嶽三十六景 |
100,000〜1,000,000円 |
歌川広重 |
東海道五十三次 |
50,000〜500,000円 |
喜多川歌麿 |
寛政三美人、大首絵シリーズ |
200,000〜1,000,000円 |
東洲斎写楽 |
役者絵 |
300,000〜800,000円 |
歌川国芳 |
武者絵、水滸伝シリーズ |
100,000〜500,000円 |
知名度の高い絵師の作品ほど、価格が高騰する傾向にあります。
(2)作品の状態
錦絵は紙に描かれているため、経年劣化が激しく、保存状態が重要です。以下のような状態の違いが価格に大きく影響します。
状態 |
評価 |
価格への影響 |
完璧な状態(色鮮やか、破れなし) |
最高評価 |
100%の市場価値 |
軽度のシミ・ヤケあり |
良好 |
80〜90%の市場価値 |
破れや補修跡あり |
普通 |
50〜70%の市場価値 |
ひどいシミ・汚れ・破損 |
低評価 |
30%以下の市場価値 |
湿気や虫害、日焼けによる退色がある場合、評価が下がります。
(3) 初版か再版か
初版の錦絵は価値が高く、再版や後刷りのものは価格が下がります。
- 初版(江戸~明治初期の摺り) → 最高評価
- 再版(明治以降に再刷されたもの) → 価値は1/3〜1/10
- 現代の復刻版(昭和・平成の摺り) → ほぼ市場価値なし
初版であるかどうかは、紙の質や印刷技法、摺りの細かさで判断されます。
(4) 題材の人気
特定のテーマや題材の錦絵は特に高値が付きやすいです。
- 人気のある題材:
- 美人画(喜多川歌麿、渓斎英泉) → 高価買取
- 役者絵(写楽、豊国) → 人気あり
- 武者絵(国芳) → 需要が高い
- 妖怪・幽霊画(北斎、芳年) → コレクター市場で高評価
- あまり人気のない題材:
- 江戸の風景画(一般的なもの) → 広重以外は比較的安価
- 政治風刺画 → 一部のコレクター向け
(5) 市場の需要
錦絵の市場価格は、世界的な美術市場の動向にも左右されます。特に以下の影響を受けます。
- 海外での浮世絵ブーム → 価格高騰
- 展覧会や特集 → 一時的に人気上昇
- 経済の影響 → 不況時には価格下落
現在は、日本国内よりも海外(特にアメリカ、フランス、イギリス)での需要が高まっています。
4: 錦絵の買取方法
4-1.オークション
- 国内:ヤフオク、サザビーズ、KOGIRE-KAI
- 海外:クリスティーズ、eBay
4-2. 専門買取業者
- 錦絵専門の買取店
- 古美術商(骨董店)
- 美術館・ギャラリー
4-3.個人売買
- メルカリ、ラクマなどのフリマアプリ
- SNSや専門フォーラム
5: まとめ
錦絵の買取価格は、絵師の知名度、作品の状態、初版の有無、人気の題材、市場の需要によって大きく変動します。特に、葛飾北斎や歌川広重、喜多川歌麿などの名作家による初版の美品は、高額で取引される傾向にあります。
また、海外市場では日本以上に浮世絵の人気が高く、適切な販路を選ぶことでより高値で売却できる可能性があります。錦絵の買取を検討する際は、オークションや専門買取店など複数の選択肢を比較しながら、最適な方法を選ぶことが重要です。
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