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2025.03.21

掛け軸の買取について。掛け軸の歴史と買取方法をご案内。

掛け軸の価値を知ることは大変難しいです。掛け軸はただの装飾品ではなく、文化的価値や芸術的価値を持つため、その価値を適切に評価してくれる業者を選ぶことが非常に重要です。しかし、初めての買取時には、買取業者のどこをどう判断すれば良いのか、見極めが難しいものです。ここで重要になってくるのがご自身で掛け軸の価値と歴史を知ることです。本記事では、掛け軸の買取を検討している初心者が、どのように価値、歴史を知れるかをお伝えします。

 

掛け軸の歴史

はじめに

掛け軸(かけじく)は、日本の伝統的な絵画や書などを布や紙で表装し、床の間などに掛けて鑑賞する装飾品です。その機能は単なる装飾にとどまらず、精神的・宗教的な意味も持ち、季節や行事に合わせて掛け替える日本独特の美意識を体現しています。掛け軸の歴史は、中国から仏教と共にもたらされた「巻物」や「巻子装」から始まり、時代と共に多様な形態・様式に変化しながら発展してきました。

本稿では、掛け軸の起源から日本への伝来、各時代における変遷、様式の違いや機能、さらには現代における位置づけまで、5000字程度で包括的にその歴史を追っていきます。


1. 掛け軸の起源:中国の「巻子装」と「帖装」

掛け軸のルーツは中国にあります。古代中国では、絵画や書は「巻子装(けんすそう)」と呼ばれる巻物形式で保存・鑑賞されていました。これは長い紙や絹の上に文字や絵を描き、それを巻いて保管する形式です。唐代(618–907年)になると、仏教美術の発展とともに、仏画がこの巻物形式から「懸装(けんそう)」という壁に掛ける形式へと変化し、これが後の掛け軸の直接的な祖先となります。

中国宋代(960–1279年)には、懸装形式がさらに洗練され、現在の掛け軸の原型となる表装様式(上下に軸棒を取り付け、周囲を布で装飾する)が確立されました。これらは主に仏教寺院で使用され、仏画を壁に掛けて礼拝の対象としました。


2. 日本への伝来と初期の掛け軸(奈良~平安時代)

仏教と共に伝来した掛け軸の形式は、奈良時代(710–794年)にはすでに日本に存在していたと考えられています。当時の仏画は、寺院の法要や儀式において使用されており、多くが中国からの輸入品でした。現存する最古の仏画掛け軸のひとつが、奈良・法隆寺や正倉院に所蔵されている仏教絵画です。

平安時代(794–1185年)に入ると、日本独自の仏画制作が始まり、「来迎図(らいごうず)」と呼ばれる阿弥陀如来の来迎を描いた作品などが制作され、浄土教の流行とともに一般にも広まりました。特に仏像がは人気があり高価買取が望めます。


3. 中世の発展(鎌倉~室町時代)

鎌倉時代(1185–1333年)には、禅宗の影響により中国・宋の文人文化が導入され、日本でも「墨蹟(ぼくせき)」と呼ばれる禅僧の書が掛け軸の形で珍重されました。禅宗寺院では、書や水墨画が精神修養の一環として重視され、単なる装飾ではなく、内面性や悟りを表現する手段としての掛け軸が登場します。

室町時代(1336–1573年)になると、「書院造」の発展により、床の間に掛け軸を掛ける様式が定着していきます。これにより、掛け軸は室内装飾の一部として位置づけられるようになり、茶の湯の精神とも融合しながら芸術的な表現を高めていきました。特に狩野派などによる水墨画の掛け軸が多く制作されました。


4. 安土桃山~江戸時代:様式の確立と多様化

安土桃山時代(1573–1603年)には、千利休によって確立された「侘び茶」の精神の中で、床の間に掛ける「一幅の掛物」が極めて重要な意味を持つようになります。禅語の墨蹟や簡素な水墨画が、茶室の静謐な空間と呼応し、鑑賞の対象となりました。

江戸時代(1603–1868年)に入ると、掛け軸はさらに庶民層にも広まり、多様な様式が確立されます。絵師たちは四季折々の風景、花鳥風月、人物などを描いた掛け軸を多数制作し、これらは季節ごとに掛け替えられ、室内の雰囲気を変える役割を果たしました。また、俳句や和歌を記した書の掛け軸も好まれ、文人趣味の世界が広がりました。文人趣味の掛け軸は人気があり高価買取が望めます。

この時代には「表装師」と呼ばれる専門職も確立し、美術作品としての掛け軸の表装技術が高度化しました。「真・行・草」といった表装様式もこの時期に定まり、作品の性格や用途によって使い分けられるようになります。


5. 明治時代以降:近代化とともに

明治時代(1868–1912年)になると、西洋の文化や建築様式が日本に急速に流入し、床の間のある和室の数は減少していきます。これに伴い、掛け軸の需要も徐々に減少しました。しかし、一方で日本画の隆盛と共に、新たな題材や技法を用いた掛け軸作品も数多く生まれ、岡倉天心らの指導のもと、日本美術としての位置づけがなされました。

大正・昭和時代にも伝統的な掛け軸の需要は続きましたが、戦後の生活様式の洋風化と共に、一般家庭における掛け軸文化は次第に衰退していきました。


6. 現代における掛け軸の位置づけ

現代では、日常生活の中で掛け軸を飾る機会は少なくなっていますが、茶道や華道、書道など伝統文化の中では依然として重要な役割を果たしています。また、美術品としての掛け軸は骨董市場でも人気があり、有名な絵師や書家の作品は高値で取引されることもあります。

さらに近年では、現代美術やデザインと融合した新しい掛け軸の形も模索されており、若手作家が古典的な技法を用いながら現代的な感覚で制作するケースも見られます。デジタル印刷技術なども活用され、インテリアアイテムとして再注目される動きもあります。現代絵画や掛け軸も内容によっては高価買取が望めます。


おわりに

掛け軸は、単なる装飾品にとどまらず、日本人の精神文化や美意識を反映する重要な文化財です。その歴史は、中国に端を発し、日本に渡ってからは仏教・書道・絵画・茶道など多様な文化と融合しながら独自の発展を遂げてきました。

時代の変遷と共に姿を変えながらも、掛け軸は今なお私たちの心に訴えかける力を持ち続けています。現代に生きる私たちも、掛け軸の持つ静けさや美しさに触れることで、失われつつある日本の伝統的な時間の流れや、空間に対する感性を再発見することができるかもしれません。

掛け軸を高く売る方法 ~価値を見極め、最大限に引き出す戦略~

はじめに

掛け軸(かけじく)は、日本の伝統文化を象徴する美術品のひとつであり、絵画や書、詩文、仏画など、多様なジャンルが存在します。時代や作家によって価値は大きく異なりますが、現代においてもコレクターや茶道家、美術愛好家の間で需要があり、適切な方法で販売すれば高額取引も可能です。

しかしながら、多くの人にとって「どのようにすれば掛け軸が高く売れるのか」は未知の領域です。本稿では、掛け軸を高値で売却するための基礎知識、価値の見極め方、市場動向、販売ルート、売却時の注意点まで、包括的に解説します。


1. 掛け軸の価値を構成する要素

1-1. 作家(作者)

掛け軸の価格を大きく左右する最重要要素のひとつが「作者」です。特に以下のような作家は高額になりやすいです。

  • 有名画家(横山大観、竹内栖鳳、川合玉堂など)
  • 禅僧の墨蹟(白隠、仙厓など)
  • 茶人や文化人の書(千利休、藤原定家、近衛信尹など)
  • 浮世絵師(葛飾北斎、歌川広重など)の肉筆画

作者の署名(款記)や落款、印章があるかどうかも重要で、これが真作と確認されるか否かで価値は大きく異なります。

1-2. 時代

掛け軸が制作された時代も価値に影響します。特に高く評価されるのは以下の時代です:

  • 室町~江戸初期:古画としての希少価値が高い
  • 江戸後期:文人画、禅画などの人気がある
  • 明治~昭和初期:近代日本画家の作品が多い

時代を裏付ける証拠(鑑定書や記録)があると信頼性が増し、高額売却の可能性が高まります。

1-3. 題材

絵画や書の題材も価値に関わります。以下は人気が高く、需要が安定しています:

  • 禅語や和歌
  • 四季の花鳥風月
  • 龍、虎、鶴、松など吉祥図
  • 仏画や観音像
  • 山水図や侘び寂びを表現した水墨画

季節ごとに掛け替える文化があるため、春夏秋冬に合わせた図柄の作品は実用価値も高く評価されます。

1-4. 表装と保存状態

表装(掛け軸の布地や軸の部分)も評価ポイントです。高級な裂地(きれじ)が使われていたり、金襴や緞子(どんす)が使われているものは高級感があります。また、保存状態も非常に重要で、次のような状態は減額要因になります:

  • シミ、ヤケ、破れ
  • カビ、虫食い
  • 軸先の破損
  • 表装の剥がれや変色

作品本体に影響があるほどのダメージは査定額を大きく下げるため、保管は湿気の少ない風通しのよい場所で、桐箱に入れて行うのが理想的です。


2. 掛け軸の価値を見極める方法

2-1. 鑑定を依頼する

高額が見込める場合は、専門家や鑑定士に依頼して真贋(しんがん)や価値を確認しましょう。鑑定を行っている機関や個人には以下のようなものがあります:

  • 美術商や骨董店
  • 公的な鑑定機関(例:東京美術倶楽部)
  • 書画専門オークションの審査員

鑑定書が発行されると、作品の信頼性が増し、買取価格も上がります。

2-2. 類似作品の落札相場を調べる

過去に似たような作家・作品がいくらで落札されたかを調べることも有効です。以下のようなサイトで相場を確認できます:

  • ヤフオク(落札履歴)
  • 美術品オークションサイト(マレットジャパン、Shinwa Auction など)
  • 海外オークションハウス(Sotheby’s、Christie’sなど)

相場を知ることで、査定額の妥当性や売却価格の目安が分かります。


3. 高く売れる販売ルートの選び方

3-1. 美術品専門オークション

高額売却を狙うなら、専門性の高いオークションを活用しましょう。特徴としては:

  • 真贋保証がある
  • 購入者がプロやコレクターで目利き
  • 高額作品の落札実績が多い

ただし、出品手数料や落札手数料(販売額の10~30%)がかかる点には注意が必要です。

3-2. 信頼できる骨董商や古美術商

個人間での取引が不安な場合は、実績ある骨董商に相談するのも良い方法です。専門知識が豊富で、相場に基づいた査定、買取を行ってくれる可能性が高いです。ただし、業者は再販を前提とした仕入れ価格を提示するため、やや安くなる傾向があります。

3-3. インターネット販売(ヤフオク・メルカリ・ラクマ等)

即現金化しやすく、自分で価格を設定できるのがメリットです。写真や説明文を丁寧に作成すれば、一般購入者との直接取引で高値が付く可能性もあります。ただし、以下の注意点があります:

  • 真贋が不明な場合、トラブルになりやすい
  • 状態や欠陥の詳細な説明が必要
  • 出品者の信頼度(評価)が価格に影響

3-4. 海外市場の活用

中国や欧米では、日本の書画や仏画に高い関心があり、特に禅画や墨蹟は人気です。eBayや海外のオークションハウスを通じて販売することも視野に入れましょう。ただし、輸出に関する規制や言語の壁、配送リスクなどを理解しておく必要があります。


4. 高値で売るための実践テクニック

4-1. 付属品を揃える

以下の付属品があると、買い手の信頼を得やすくなります:

  • 共箱(作家の署名入りの箱)
  • 二重箱(内箱と外箱)
  • 鑑定書、証明書
  • 由来や履歴が分かる記録

4-2. 写真撮影と説明文の工夫

ネット販売では第一印象が重要です。写真は明るい自然光のもとで、以下のポイントを押さえましょう:

  • 全体像とアップ(署名・印章・絵の細部)
  • 裏面や箱の写真
  • 傷や汚れの箇所も正直に掲載

説明文では、作家名、題材、時代背景、サイズ、状態を詳しく記載し、買い手が安心できるようにします。

4-3. 掛け替えの季節を狙う

掛け軸は季節感のある美術品です。例えば、春には桜、秋には紅葉、正月前には吉祥画や仏画など、需要が集中するタイミングがあります。こうした季節を見計らって出品すると、高値が付きやすくなります。


5. 売却時の注意点

  • 真贋が曖昧な場合、「真作保証」などの表現は使わない
  • 無理に修復しない(素人修復はかえって価値を落とす)
  • 査定は複数社に依頼し、比較検討する
  • 高額作品の取引は契約書や領収書を発行する
  • 知名度の低い作家でも「○○派」「○○流」などの付加情報で価値を補足できる

おわりに

掛け軸を高く売るためには、単に売却するだけでなく、「価値を見極め」「正しい販路を選び」「適切にアピールする」という一連の戦略が求められます。たとえ無名の作家であっても、題材や状態、タイミング次第では思わぬ高額で売れることもあります。

重要なのは、「文化財としての価値を伝える姿勢」と「買い手のニーズを理解する視点」です。正しい知識と準備をもって臨めば、あなたの掛け軸もその価値を最大限に発揮できることでしょう。

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この記事を書いた人

東京美術倶楽部 桃李会
集芳会 桃椀会 所属

丹下 健(Tange Ken)

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