- 煎茶道具
煎茶道具の高価買取ポイント
煎茶道具の歴史と買取ポイント
ご自宅に眠っている煎茶道具(せんちゃどうぐ)の売却を考えている方は、ぜひ古美術すみのあとへご相談ください。
あまり一般的に認知されていませんが、茶道には「抹茶道」と「煎茶道」の2種が存在しています。 一般的に広く知られているのは「抹茶道」ですが、「煎茶道」も伝統的な茶道です。
粉末の茶である抹茶を用いる「抹茶道」とは異なり、急須などを使って煎茶や玉露などの茶葉を用いるのが煎茶道です。
煎茶道(せんちゃどう)の歴史
中国宋時代に禅の精神と結びつき、確立した抹茶道は、千利休が安土桃山時代に完成させ、主に武家社会に浸透していきました。
一方、煎茶道は、日本には中国明の僧・隠元隆琦によって伝えられたと言われています。
江戸時代中期以降には、文人墨客(当時の文化人)たちの間で流行しました。
煎茶道は茶室や道具などに必要以上のこだわりを持たず、自由な精神や風流を大切にすることから、日常的な茶道としてやがて庶民にも親しまれるようになりました。
黄檗宗の僧だった売茶翁は1735年に京都東山に「通仙亭」を始めましたが、この「通仙亭」は日本初の喫茶店と言われています。
江戸時代末期から明治にかけて煎茶道は盛り上がりを見せましたが、明治維新による文明開化の流れにより、低迷してしまいます。
その後、茶復興により、現在にも引き継がれ多くの流派が存在しています。
流派による違い
煎茶道には多くの流派が存在します。
一般社団法人全日本煎茶道連盟に加盟している流派は連盟のホームページにて確認することができますし、それ以外にも各地にお家元本部があり、それぞれが独自の活動をしています。
流派によって、日本茶の種類や点前、お家元の流派に対する考え方などが異なります。
美しい所作で有名な流派から、所作よりも楽しむことを優先する流派まで様々です。
例えば、煎茶道では主に日本茶の最高級である玉露を使用しますが、もちろん煎茶やほうじ茶なども使用します。それらに加え、お家元の方針により、日本茶のみならず中国茶や台湾茶、紅茶を使う流派もあります。
また、煎茶会では玉露茶碗で二煎いただくことが多いのですが、一煎だけの流派や一煎とお酒という流派もあります。
煎茶道具の種類
煎茶道で使用される煎茶道具をご紹介いたします。
どのように使うかわからない煎茶道具が家にある、という方は、ぜひ参考にしてください。
古美術すみのあとでは、煎茶道具の高価買取を行っていますので、分からないことや困ったことがあるときには、お気軽にご相談ください。
(煎茶道具は同じ道具でも、各流派で呼び名が異なることがあります)
主な煎茶道具は下記のとおりです。
・急須(きゅうす)
茶葉を淹れて茶碗に注ぐための道具です。茶葉の種類によって急須の形を変えることがあります。
急須は、煎茶道具の中でも重要なものであり、数々の名品と言われているものがあります。
・煎茶碗(せんちゃわん)
煎茶道で使われるのは、小振りな茶碗です。茶の色がわかるように内側が白色のもの、磁器製のものが多いです。
茶わんも、急須とともに重要視されています。煎茶椀については、次項で詳しくご紹介します。
・湯冷(ゆざまし)
玉露を淹れる際、湯を適温まで冷ます必要があるため、湯冷が使用されます。
熱湯を用いる煎茶の場合には不要です。流派によっては、急須をふたつ使用し、湯冷を使わないこともあります。
・茶托(ちゃたく)
茶碗の下に敷く器です。
銀製、錫製、銅製、木製など様々な材質が使用され、小判形、丸形などを基本に形状も多種にわたります。
・ 泡瓶(ほうひん)
急須の一種ですが、持ち手がありません。玉露を淹れる際に使用します。
・水注(すいちゅう)
煎茶の手前に必要な水を入れておくための器です。茶碗、湯冷の洗浄や急須の補給用などに用いられます。
・涼炉(りょうろ)
いわゆるコンロのようなもので、湯を沸かすための道具です。
火を入れるところだけ素焼きのものをはめ込むようにして、本体は磁質のものや、絵つけがされているものもあります。
・ ボーフラ
やかんのように、湯を沸かすための急須に似た形状の器です。
素焼で、横手のものと上手のものがあります。
煎茶道具の中で、この道具だけが西洋語で呼ばれていますが、保宇夫良などという風に漢字で書かれることもあります。
・煎茶盆(せんちゃぼん)
煎茶碗や茶托などをのせる盆です。 手前の種類に応じて、手前盆、三器盆など種類が変わります。
材質は木製や金属製、形状は丸盆、四方盆など様々あります。
・茶櫃(ちゃびつ)
道具一式を入れておくための入れ物です。木製や漆塗のものがあります。
・器局(ききょく)
小型の茶だんすのようなもので、煎茶道具を入れておくための箱です。茶席の室内で使用されます。「局」には「部屋」という意味があります。
・その他
茶具褥(さぐじょく)、火炉(かろ)、烏府(うふ)、炭斗、火斗(かと)、十能(じゅうのう)、炉扇(ろせん)、羽箒(はぼうき)、火箸(ひばし)、炉屏(ろびょう)、罐座(かんざ)/瓶敷(びんしき)、洗瓶(せんびん)、滓盂(しう)、建水(けんすい)、茶心壷(ちゃしんこ)、袱紗(ふくさ)、茶巾入、巾盒(きんごう)、瓶床(びんしょう)、急須台、碗筒(わんとう)、茶則、茶盤、茶具台、長板、箋、棚など
煎茶碗(せんちゃわん)
煎茶道で使用される茶碗は、全体的に小ぶりのものが使われます。茶碗の大きさがより小さいものが玉露用、それより大きいものが煎茶用と言われています。
内側は茶の色を楽しめるように白色が多いのが特徴です。
茗碗(みょうわん)、茶盃(ちゃはい)など幾つかの名称があります。
技法は染付のものや色絵のものなどあり、その場合文様が施されています。これらは好まれてもいましたが、特に染付は一時期、景徳鎮窯(けいとくちんよう・中国の窯)の古染付に価値があるとされていました。
煎茶碗は、客人が茶を飲むために直接手に触れる唯一の道具なので、視覚や味覚を提供するという大きな役割を担っています。
煎茶道具の高価買取のポイント
煎茶道具は、大変人気のあるジャンルで、需要も高く、高額買取できるお品が多くあります。
煎茶道具の、高額買取のポイントは、下記の通りです。
・ヒビや割れなどがなく、保存状態が良いもの
たとえ、状態が良くなかったとしても、自分で修復すると第三者の手が加えられたことになり、価値が下がってしまうため注意してください。ぜひそのままの状態で、ご相談ください。
・名のある作家の作品
有名作家の作品であれば、高額買取になる可能性は高くなります。
・箱などの付属品が揃っているもの
付属品がそろっているほど高値が付きやすくなります。付属品も大切に保管しておきましょう。
・来歴がわかるもの
来歴がわかることで、価値の判断をしやすくなります。
・急須、煎茶碗、湯冷などがセットで揃っている
単品よりもセットのほうが高値が付きやすくなります。
・花押がついている
「花押」とは自署の代わりに書く記号のことで、作家の作品である証拠となります。
煎茶道具の買取は、古美術すみのあとへご相談ください
古美術すみのあとは、1985年に創業し、中国美術・中国書画を中心とした骨董品の売買を行っており、業界実績は40年以上になります。
「すみのあとに相談して良かった!」と言って頂けるような取引を心がけており、大切なお品物をお預かりする際は、細心の注意を払うとともに、丁寧で適正な査定を行っております。
品物の点数が多い場合や、ご自身では整理できない状態にある場合は、現地に訪問させていただくことも可能です。
無料で全国どこへでも出張買取に伺いますので、ご相談ください。
大切なお品物を適正価格で買取させていただきますので、煎茶道具の売却を考えている方は、ぜひ、古美術すみのあとへお問い合わせください。
この記事を書いた人
東京美術倶楽部 桃李会
集芳会 桃椀会 所属
丹下 健(Tange Ken)
創業40年の経験と知識、そして独自のネットワークなどを活かして、
お客様の大切なお品物を確かな鑑定眼で査定させていただきます。
作品の背景や、現在の価値なども含めて、丁寧にご説明し、
ご納得いただけるような買取金額を提示させていただいております。