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2023.02.27

盆栽鉢を売りたい人ヘ!賢く売るための5つのポイント

盆栽鉢を売りたい人が知りたい5つのポイント

 

盆栽鉢を売りたいとお考えの人はいませんか?

 

近年、海外からも注目を集めている盆栽鉢は、芸術品としての人気が高まっており、愛好家も増えています。

しかし、盆栽鉢には様々な種類があり、その価値は玉石混交です。

売却を考えてはいるが、価値が分からなくて困っているという声もよく聞きます。

 

この記事では、盆栽鉢の売却を考えている人が知っておきたい5つのポイントを具体的にご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

盆栽鉢とは

盆栽鉢とは、盆栽に使われている鉢のことを指します。

盆栽愛好家の中では、「鉢が先か樹が先か」と話題になるほど、盆栽にとって鉢は欠かせない存在です。

樹が主役と思われがちな盆栽ですが、樹と鉢の雰囲気があっていなければ、どれだけ樹が立派で美しくても、観賞価値は大きく下がってしまいます。

 

盆栽の歴史

日本の盆栽のルーツは、およそ1300年前の中国だといわれています。

当時の壁画に、浅い鉢(盆)を両手で持ってる姿が描かれているのです。鉢の上には、石のような塊が置かれ、勢いよく伸びる花のようなものが描かれています。

まだ「盆栽」という言葉が生まれる前に、古代の中国では鉢の中に入れた植物を愛でる文化が根付いていたのです。

それが、平安時代頃に日本に伝わり、主に貴族など上流階級に広まりました。

江戸時代に入ると徐々に庶民の間にも「盆栽」が浸透していき、当時の浮世絵にも描かれるようになりました。

 

1873(明治6)年にはウィーン万国博覧会に盆栽が出品され、全世界に日本の文化としての「盆栽」が紹介されました。

 

盆栽鉢を売りたい人が知りたい5つのポイント

家に古い盆栽鉢があるので売りたいけれど、価値が分からないという方はいらっしゃいませんか?

盆栽鉢を売りたいと考える人が知っておくと良いポイントを5つにまとめました。

ご自宅に盆栽鉢があるという人は、参考にしてみてください。

 

1.産地

盆栽鉢の価値を知るうえで、産地は重要なポイントのひとつです。

 

実は、日本の盆栽鉢の歴史はまだ浅く、大正から昭和にかけて盛んに作られるようになりました。

有名な産地は下記のとおりです。

 

・常滑焼(愛知県)

・瀬戸焼(愛知県)

・越前焼(福井県)

・信楽焼(滋賀県)

・丹波焼(兵庫県)

・備前焼(岡山県)

 

また、中国産の鉢も多くあります。

中国製の盆栽鉢で有名なのは江蘇省宜興で焼かれた盆栽鉢で、盆栽用ではなく観賞用の美術品として、高額で取引されています。

 

中国製の鉢は、時代によって以下のように区別されます。

 

・古渡

江戸時代に輸入されたもの

 

・中渡

明治から大正中期ごろまでに輸入されたもの

 

・新渡

大正時代末期から戦前にかけて輸入されたもの

 

・新々渡

戦後大量に輸入されたものです。

 

上記の中でも最も美術品としての価値が高く、高額で取引されているのが、古渡です。また、中渡も古渡ほどではありませんが、高い値が付きやすいです。

 

2.焼き方・装飾

焼き方は素焼きの「泥もの」と釉薬をかけた「釉薬もの」とに分けられます。

 

泥ものは、素焼きの鉢のことで、土の味を活かした素朴な風合いが魅力です。

一方の釉薬ものは、釉薬を塗りつけて焼いた鉢のことで、色艶があり、華やかさがあります。

 

また、特殊な染料で絵をつけて装飾したものを絵付け鉢といいます。

絵付けした後に釉薬で焼成する下絵付けと、釉薬をかけて焼成したあとに絵付けをする上絵付けがあります。

素焼き後の鉢の表面は荒いため、細かい絵付けが難しく、現在では上絵付けがほとんどです。

細かく繊細な絵柄が書き込まれた絵付け鉢は人気が高く、高額で取引されることもあります。特に作家のものは人気です。

 

また絵付けの他、彫刻や鋲打ち、額入、胴紐などの装飾もあります。

 

3.形状

盆栽鉢の形状はさまざまです。

真上から見た形で、長角・正角・六角・八角・丸型・小判型・木瓜形・花形・輪花形で分類されます。

それに加えて、横から見た形が、太鼓形・袋形・切立形・反形などがあります。

 

また盆栽鉢には、胴(胴体部分)や足(底)の部分にも個性があるのが面白いところです。

 

胴は、太鼓・反形・南蛮・陣笠・袋型・鞍馬などと呼ばれる種類に分類されます。そして額入・窓入・帯・彫入といった模様が入れられたものもあります。

 

足は、切足・段足・雲足・鬼面足・富士足などの種類があります。

 

個性豊かな形状は、盆栽鉢の見所のひとつです。

 

4.作家の作品

有名な作家の作品は、高い値が付きます。

特に人気なのは、平安東福寺です。

平安東福寺というと、お寺の名称かと勘違いしてしまいそうですが、盆栽鉢の天才と言われた人物です。

明治23年に京都で生まれた東福寺は、趣味として盆栽を楽しんでいましたが、当時高級品であった盆栽鉢を買うお金がなく、自分で焼きだしたことがきっかけとなり、有名な盆栽鉢の作家になりました。

艶のある美しい瑠璃色の作品が多く、現在では盆栽鉢といえば東福寺と言われるほどの人気で、高額で取引される盆栽鉢となっています。

 

平安東福寺の他には、下記のような作家の盆栽鉢が高額で取引されています。

 

・井上良斎

・永楽善五郎 

・高橋道八

・欽古堂亀祐

・楽忠右衛門

・三浦竹泉

・伊藤陶山

・原田峯雲

・浅井茶山

 

作家の作品は、鉢の底などに落款があるかどうかが、大変重要になります。ご自宅に盆栽鉢がある場合は、ぜひチェックしてみてください。

注意したいのは、盆栽鉢は贋作の多いジャンルでもあります。

実際、平安東福寺の作品は多くの贋作が出回っていると言われています。売却するときも、買い取るときも、盆栽鉢に精通した専門家に依頼することをおすすめいたします。

 

その点、古美術すみのあとには、多くの多くの経験と実績があります。

確かな目利きで、お客様の大切なお品を適正に査定いたしますので、安心してご連絡ください。

 

5.高額買取を狙える盆栽鉢

ポイント1~4を踏まえて、高額買取を狙える盆栽鉢についてのご説明をさせていただきます。

 

まず、高額買取できる可能性が高いのは、中国製の「古渡」です。

希少価値もあり、高値で取引されています。古渡は、盆栽鉢の中でも、最も高額な査定となる可能性が高いお品です。

 

他には平安東福寺をはじめとした、著名な作家のものは高額査定の可能性が高くなります。

落款のあるなしが査定のポイントとなりますので、確認してみてください。

 

他には、箱などの付属品があるものや、来歴がわかっていると高値が付きやすいです。

そして、どんな骨董品にも言えることですが、状態の良いものほど、高額で取引されます。ヒビや欠けなどがあると、せっかくのお品でも価値が下がってしまいますので、取り扱いには十分に注意してください。

 

盆栽鉢の売却をお考えの方は、古美術すみのあとへお任せください!

 

古美術すみのあとは、1985年に創業し、中国美術・中国書画を中心とした骨董品の売買を行っています。

業界実績は40年以上。

「すみのあとに相談して良かった!」と言って頂けるような取引を心がけており、大切なお品物をお預かりする際は、細心の注意を払うとともに、丁寧で適正な査定を行っております。

 

品物の点数が多い場合や、ご自身では整理できない状態にある場合は、現地に訪問させていただくことも可能です。

無料で全国どこへでも出張買取に伺いますので、ご相談ください。

 

盆栽鉢の買取も強化しております。

遺品整理や引っ越しなどで、売却を考えている盆栽鉢がある場合は、ぜひご連絡ください。

中国製の古渡や、平安東福寺の作品は思わぬ高値がつくこともあります。

確かな鑑定眼で適正な査定をさせていただきますので、安心して当店にお任せください。

 

この記事を書いた人

東京美術倶楽部 桃李会
集芳会 桃椀会 所属

丹下 健(Tange Ken)

丹下 健(Tange Ken)

創業40年の経験と知識、そして独自のネットワークなどを活かして、
お客様の大切なお品物を確かな鑑定眼で査定させていただきます。

作品の背景や、現在の価値なども含めて、丁寧にご説明し、
ご納得いただけるような買取金額を提示させていただいております。