鷲(わし)をモチーフとした骨董品は、古来より「力」「威厳」「勝利」「守護」の象徴として、世界各地で尊ばれてきた意匠です。日本においても、鷲は武家文化や神事、吉祥図案と深く結びつき、絵画・彫刻・工芸品・甲冑装飾・根付・金工・陶磁器など、幅広い分野の骨董品に表現されてきました。とりわけ、鋭い眼光や大きく広げた翼、獲物を掴む爪の力強い描写は、作り手の技量が如実に表れるため、美術的価値の高い作品が多く存在します。そのため、鷲モチーフの作品は国内外のコレクターからの需要が安定しており、買取市場においても評価されやすいジャンルの一つです。
例えば、日本画では勇壮な構図の中に松や岩とともに描かれた「松鷲図」や、雪景色に佇む静謐な表現の作品などが知られ、掛け軸や屏風として現在も人気があります。金工分野では、明治期の超絶技巧を示す置物や花器、装身具に鷲の意匠が用いられ、海外輸出品として制作された作品は特に高い評価を受けています。また、根付や印籠、煙草入れ金具などの小品にも精緻な鷲の彫刻が施され、素材や作家によっては思いがけない高値が付くこともあります。さらに、西洋アンティークにおいても、双頭の鷲紋章やブロンズ像などは王権や国家の象徴として重用されており、日本国内でもコレクター需要が見込まれます。
鷲モチーフの骨董品を売却する際には、作家名・時代・素材・保存状態に加え、どの文化圏の意匠であるかを見極めることが重要です。共箱や由来書、旧蔵印などの付属品があれば査定額が上がる可能性も高まります。もしご自宅の蔵や遺品整理の中から鷲の図柄や造形を持つ古美術品が見つかった場合、それは単なる装飾品ではなく、美術的・歴史的価値を備えた作品かもしれません。専門知識を持つ査定士に相談することで、本来の価値を正しく評価し、次の愛蔵家へと受け継ぐことができるでしょう。鷲という力強い象徴を宿した骨董品は、時代を超えて人々を魅了し続ける存在なのです。

目次
鷲をモチーフとした骨董〈絵画・ブロンズ〉について
鷲(わし)をモチーフとした骨董品の中でも、絵画とブロンズ彫刻は特に芸術性・象徴性・市場価値の三要素が揃った重要なジャンルです。鷲は古代から世界各地で「天空の王」「勝利」「権力」「神の使い」などを象徴する存在として扱われ、宗教・王権・武家文化と密接に結びついてきました。そのため、東洋・西洋を問わず、格式の高い美術品に多く採用されてきた意匠です。
■ 鷲モチーフの象徴性と文化的背景
鷲は空高く飛翔し鋭い視力で獲物を捉えることから、強さ・知性・支配力・未来を見通す力の象徴とされます。北米先住民文化では、鷲は偉大な精神性やリーダーシップを示す神聖な存在とされ、羽根は儀式や装飾に用いられてきました。
また、古代ローマ帝国やビザンツ帝国では双頭の鷲が国家の象徴として用いられ、ヨーロッパの紋章文化にも広く定着しています。イスラム圏でも権威の象徴としてブロンズ製の鷲像が制作されており、8世紀のアラブ世界で作られた青銅製鷲像が現存しています。
日本では、鷲は鷹とともに武家の象徴的な鳥として扱われ、勇猛さ・勝運・威厳を示す吉祥図案として定着しました。特に江戸時代以降、武家や豪商の邸宅を飾る美術として発展していきます。
■ 鷲を描いた骨董絵画
1. 日本美術における鷲図
日本の骨董絵画では、鷲は主に以下のような形式で描かれます。
-
松鷲図(しょうしゅうず)
老松と鷲の組み合わせは長寿と威厳を象徴する吉祥図。武家屋敷の床の間を飾る格式高い題材。 -
雪中鷲図
厳しい自然の中に立つ姿を描き、忍耐と孤高を表現。 -
岩上の鷲図
天下を睥睨する支配者の象徴。
江戸後期から明治にかけては、円山・四条派の写生的表現や狩野派の装飾的表現により、多様な鷲図が制作されました。掛け軸や屏風として現存するものが多く、骨董市場でも人気があります。
また、近代日本画では写実性が高まり、羽毛一本一本まで精密に描かれた作品も登場します。こうした作品は作者の力量が明確に現れるため、美術的評価が高くなります。
2. 中国・東洋絵画の鷲
中国では鷹や鷲は「英雄」「成功」「官位上昇」を意味する吉祥図として描かれました。岩や松と組み合わせる構図は長寿や不屈を意味します。文人画の世界では、力強い筆致で描かれた鷲が気概や精神性の象徴とされました。
3. 西洋絵画の鷲
西洋では鷲は王権・帝国・キリスト教の象徴です。
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ローマ帝国の軍旗(アクィラ)
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神の象徴としての鷲(聖ヨハネ)
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ナポレオン帝政の紋章
そのため、歴史画・宗教画・紋章画に頻繁に登場します。西洋アンティークの油彩画や版画にも多く見られ、国際市場での需要があります。
■ 鷲をモチーフとしたブロンズ彫刻
1. 古代〜中世のブロンズ鷲
青銅製の鷲像は、宗教・権力・守護の象徴として制作されました。
8世紀のイスラム世界の青銅製鷲像は紋章や部族の象徴として崇敬されていたとされ、鷲が強力なトーテム的存在だったことを示しています。
2. ヨーロッパのアンティークブロンズ
19世紀〜20世紀初頭のヨーロッパでは、ブロンズ彫刻が室内装飾や公共彫刻として盛んに制作されました。鷲は国家や栄光の象徴として好まれ、翼を広げた躍動的な造形が特徴です。
アメリカの彫刻家ロレンゾ・ギリエーリは巨大な鷲のブロンズ像を制作しており、近代においてもこのモチーフが強い象徴性を持ち続けていることを示しています。
3. 日本の金工・明治期ブロンズ
日本では明治期に輸出工芸として精巧なブロンズ像が多数制作されました。
特徴:
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超絶技巧による羽毛表現
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大理石台座付き
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写実的な猛禽表現
-
海外市場向けの豪華仕様
特に高岡銅器などの産地で制作された作品は、現在でも海外コレクターに人気があります。
■ 美術的見どころ
鷲モチーフの骨董絵画・ブロンズの評価ポイントは以下です。
● 造形・描写
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翼の広がり
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爪の緊張感
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眼光の鋭さ
-
羽毛の細密さ
これらは作家の力量を示す重要な要素です。
● 構図
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飛翔姿(最も人気)
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岩上に立つ姿(威厳)
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獲物を捕らえる瞬間(躍動)
● 象徴性
鷲は単なる動物ではなく、権威・守護・勝利を表すため、空間の格を高める装飾として用いられました。
■ 骨董市場での位置づけ
鷲モチーフの作品は以下の理由で安定した人気があります。
-
世界共通の象徴性
-
男性的・力強い意匠
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書斎・応接間に適した装飾
-
武家文化・国家象徴との関係
特に大型作品や著名作家作品は高額になる傾向があります。
■ まとめ
鷲をモチーフとした骨董絵画とブロンズは、単なる動物表現ではなく、権力・精神性・勝利・守護を象徴する美術として発展してきました。東洋では武家や文人の精神性、西洋では帝国や宗教の象徴として、それぞれ異なる文化背景を背負いながらも共通して「天空の支配者」というイメージを持ち続けています。
そのため、鷲の作品は時代や地域を超えて評価されやすく、骨董市場でも重要なジャンルの一つです。ご自宅にある鷲の掛け軸、油彩画、ブロンズ像、金工品などは、思いがけない歴史的価値や美術的価値を持つ可能性があります。
鷲モチーフ骨董品の高価買取ポイント
鷲(わし)をモチーフとした骨董品は、力・威厳・勝利・守護の象徴として世界共通の人気を持つため、買取市場においても安定した需要があります。特に男性的で力強い意匠は書斎・応接間・企業空間などに好まれ、国内外のコレクター層が厚いジャンルです。実務の査定現場では、単に「鷲が描かれている」「鷲の置物である」というだけでは評価は決まりません。作家・時代・素材・造形・保存状態・付属品・市場性といった複数の要素を総合的に判断することが重要です。ここでは、買取業者・査定担当者向けの視点から、高価買取につながる具体的ポイントを体系的に解説します。
■ 1.作家・銘の有無(最重要評価軸)
骨董品全般に共通しますが、鷲モチーフでも最も価格に影響するのは作家性です。
● 絵画
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日本画:著名画家(帝展・院展系、円山四条派系統など)
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西洋画:著名画家・サイン入り油彩
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中国画:名家の花鳥画
落款・印章・箱書き・鑑定書の有無は必ず確認します。
● 彫刻・ブロンズ
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原型師の銘
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鋳造所の刻印
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限定番号
明治期の輸出工芸や帝室技芸員系統の作品は特に高評価となります。
■ 2.時代判定(古いほど良いとは限らない)
時代は価格に直結しますが、人気時代かどうかが重要です。
高評価になりやすい例:
-
江戸後期〜明治期の日本画
-
明治〜大正期の金工・ブロンズ
-
19世紀ヨーロッパブロンズ
-
中国清朝期の花鳥画
一方、昭和期の量産装飾画は大型でも評価が伸びにくい場合があります。
■ 3.素材別の評価ポイント
鷲モチーフは多様な素材で制作されるため、素材知識が査定額を左右します。
● 絵画
-
絹本か紙本か(絹本が高評価)
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岩絵具使用の有無
-
保存状態(折れ・シミ)
● ブロンズ・金工
-
青銅の質
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鋳造精度
-
表面の patina(古色)
明治金工の作品では、羽毛の表現が細密なほど高評価です。
● 木彫・牙彫
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一木彫か寄木か
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材質(柘植・象牙など)
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彩色の残存
■ 4.造形・描写の完成度
鷲モチーフ特有の査定ポイントがここです。
高評価要素:
-
翼の広がりの迫力
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爪の緊張感
-
眼の鋭さ
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羽毛の彫刻密度
特に「飛翔」「獲物を掴む瞬間」の造形は人気が高く、市場評価も上がります。
逆に静止姿のみで造形が単調な作品は評価が下がる傾向があります。
■ 5.構図・意匠の格
鷲は単体よりも背景との組み合わせで意味が強まります。
高評価の組み合わせ:
-
松 × 鷲(長寿・威厳)
-
岩 × 鷲(支配・不動)
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波 × 鷲(力・克服)
武家文化や吉祥性の強い構図は需要が高くなります。
■ 6.サイズと存在感
大型作品は空間装飾としての需要があるため高評価です。
ただし例外:
-
住宅事情により極端に大きい作品は売却難
-
小型でも精密作品は高評価
「適度な大型」が最も市場性が高いといえます。
■ 7.保存状態
査定現場では状態確認が必須です。
チェック項目:
絵画
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シミ
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虫損
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表装の傷み
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修復歴
金属
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変形
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欠損
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過度な磨き
自然な経年変化は価値を損なわない場合が多いですが、後年の補修は評価を下げることがあります。
■ 8.付属品・来歴
付属品は査定額を大きく左右します。
-
共箱
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鑑定書
-
旧蔵印
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展覧会出品歴
特に共箱の箱書きが作家本人によるものの場合、価格が大幅に上がります。
■ 9.文化圏・市場の違い
鷲は世界共通のモチーフであるため、どの市場に強いかの判断が重要です。
-
日本画 → 国内市場
-
明治金工 → 欧米市場
-
西洋ブロンズ → 国際市場
-
紋章的鷲 → 欧州需要
輸出向けに制作された作品は海外需要が見込めます。
■ 10.セット・コレクション性
単品よりも関連作品とのセットは高評価になることがあります。
例:
-
同一作家の花鳥画シリーズ
-
つがいの鷲像
-
屏風の対作品
コレクターは揃い物を好む傾向があります。
■ 高価買取につながる実務対応
査定担当者が意識すべき対応:
● 安易な清掃を避ける
表面の古色は価値の一部です。
● 分野別専門家との連携
日本画・金工・西洋美術など、分野ごとの知識が必要。
● 海外販路を視野に入れる
鷲モチーフは国際性が高い。
■ 高価買取になりやすい鷲モチーフ骨董の特徴まとめ
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著名作家作品
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明治期の精巧な金工
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動きのある造形
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吉祥性の高い構図
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保存状態が良好
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付属品完備
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国際市場向け意匠
これらが揃うと査定額は大きく上昇します。
■ まとめ
鷲モチーフ骨董品は、動物モチーフの中でも特に「格」と「力」を感じさせるため、高級美術として扱われやすいジャンルです。査定の現場では単なる装飾品として扱わず、象徴性・文化背景・市場性を踏まえた評価が求められます。特に明治期輸出工芸や著名作家の花鳥画は高額取引になる可能性が高く、慎重な見極めが必要です。
ご自宅の蔵や遺品整理の中から鷲の意匠を持つ作品が見つかった場合、それは単なる置物や絵ではなく、美術史的価値を持つ可能性があります。適切な査定と販路選択によって、本来の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。鷲という天空の王を象った作品は、時代を超えて人々を魅了し続ける普遍的な魅力を備えているのです。
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